2019年のパシフィック・リム・ボウルの開催に祝意を表します。新元号の令和のおめでたい年の米国遠征が有意義に無事完了するよう祈念しております。
 このボウルゲームのすべての始まりは、1986年 昭和61年8月の米国オレゴン州アッシュランド高の練習見学に訪れた時でした。関西協会専務理事、古川 明と同行の完済高校連盟の崎 弘明先生が当時のアッシュランド高ヘッドコーチ ジム・ネーゲル氏に会い、練習見学の許可をいただきました。この時、ネーゲル氏からアッシュランド高の日本遠征やアメフト日米交流戦の打診がありました。私は若き日に米国コロラド州のデンバー大学に留学し、30歳代の終わりまで米国系の船会社に勤務していました。米国の方々から打診に対しては「日本に帰ってからお返事します。」は自分の経験からも通用しないと思い、交流の開始を受諾しました。高校連盟の決定事項を関西協会の専務理事が米国で行った越権行為を、後日、高校連盟の会議で本承認していただいた事を今もありがたく思っています。
 1869年・明治2年に米国の東部と西部を結ぶ大陸横断鉄道が開通しました。西部劇のほろ馬車隊やガンマンの撃ち合いも今は歴史の彼方消えて行きましたが、静かなオレゴン州はほぼそのままです。良きアメリカが今も生きているアッシュランド市の皆さんとの交流をこれからも大切にしていただきたく思います。1986年のアッシュランド高校のヘッドコーチ、ジム・ネーゲルさんは信義に厚い良きアメリカ人の代表的な方です。そして現在にいたる迄の多くのアッシュランドの方々や、日本側の保護者、先生方等、30数年間にわたってご支援をいただいている皆様に心から御礼申し上げます。真義と誠実で30年間にわたり育てていただいているパシフィック・リム・ボウルがこれからも高校アメフト発展や日本のアメフト振興に寄与することを切に願っています。又、今回の遠征に参加する高校生の方々は日本に残っている仲間の分も思いを込めて戦い、アメフトと共に米国の文化や人々の考え等もできるだけ学び、有意義な交流になるよう期待しています。

2019年5月12日
西日本アメリカンフットボール協会
副会長  古川 明

 

 

本年7月20日より30日まで、PRB JAPAN チーム総勢60名(選手46名)が、アメリカ遠征に赴きます。関西高校連盟所属校から志願し選抜されたメンバーが、ASHLANDの地を訪れ、フットボールの試合のみならず、ホームステイを通じて貴重な生活体験をします。文化の違い、風習の違い、気候の違い…、様々な違いを、彼らは身をもって経験し、多様な価値観を知り、グローバル時代に生きる力を育む絶好の機会を得ます。
 十数年前の話。PRB JAPANメンバーとして遠征に参加したひとりの人物が、参加6年後の神戸開催のPRBの交流イベント時にやってきて、「僕の人生観は大きく変わりました。」と。「ASHLANDに行き、ホームステイをし、1週間でしたがHFに家族の一員として温かく迎えられ、アメリカ生活を体験させてもらい、心揺さぶられる日々を過ごしました。国は違っても、習慣などが違っても、心は通じ、とても貴重な体験ができ、感謝の気持ちでいっぱいです。しかし、自分は英語が不得意で、話しかけようと思ってもうまく言葉が出てこず、思うように意思を伝えることができませんでした。英語を理解できていれば、もっともっと素晴らしい交流ができたのにと、ずっと後悔していました。だから大学を卒業してすぐに3か月間、アメリカに武者修行に行き、コミュニケーション能力を養い、『アメリカ』を学んできました。」と、意気揚々と話をしてくれました。「引っ込み思案である自分を変える」、PRBに参加したことによってそのことをずっと心に秘め、時間を作り、一大決心をして彼はチャレンジしました。人間的に大きな成長をしたひとりです。
 2年前、ASHLANDの皆さんはPRBに向けての練習の合間に、平和学習の一環で広島の平和記念館・原爆ドームを訪問されました。その時、広島女学院の生徒さんが公園内の碑めぐりの案内ボランティアを英語で行ってくれました。原爆の子の像前での平和集会には、崇徳高校のアメリカンフットボール部員が加わり、ASHLAND生、広島女学院生とともに祈り、平和を誓いあいました。PRB JAPANのメンバーである2名の崇徳高校生のメッセージに、参加者は心打たれました。
 「Love and care each other」(コーチK)の合言葉のもと、「文化」「競争」「仲間意識」を大切に、「絆」を育み続けるPRBに対して、たくさんの方々からご支援・ご協力をいただいておりますこと、心より感謝しております。今回参加する46名の高校生たちは、自身の成長を期するだけでなく、育んだ力や心を様々なところで伝え、周囲の仲間たちに良き影響を与える存在となっていきます。今回のPRB 2019に対しても、温かい見守りとご支援を賜れば幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

関西高等学校アメリカンフットボール連盟
理事長 櫻間 敏夫 

PAGE TOP